「万国スキー大会」と五輪強化合宿(1934年)

昭和9年(1934年)2月、スイスのウェンゲンにて開催された「万国学生スキー大会」に日本選手6人が出場した。

全日本学生スキー連盟による選手派遣で、監督に宮川恒雄・三沢竜雄、付添いに佐々木直、選出された選手は清水麟一(早大)・木越定彦(明大)・逸見徳太(明大)・栗山巍(早大)・四ツ谷勇(小樽高商)・竹内正勝(法大)。
費用は各自が500円を自己負担し、長尾欽弥(わかもと製薬創業者)が寄付した1万円と合わせてまかなったが、移動手段は往復ともに船で、当時は片道だけでも35日かかる船旅だけに一行は多くの苦労を伴った。

一行は昭和8年12月13日に出発し、翌年1月20日にマルセイユ到着、翌21日にウェンゲン入り。2月9日、万国学生スキー大会が開幕。しかし中欧・スイスはアルペンスキーが盛んな土地柄で、距離競技では有望株はほとんどなく、距離16kmで1位が木越(1時間15分47秒、ちなみに2位ガンセルは1時間16分55秒)、4位が清水、6位が逸見。
16kmリレーでは1位がドイツ(ミュンヘン大学、2時間20分33秒)、2位がスイス(チューリッヒ大学、2時間23分49秒)、3位が日本(清水・木越・栗山・四ツ谷、2時間23分50秒)
ジャンプ競技では、1位がグッドルムセン(ノルウェー、46m、48.5m、48m)、2位メヒラー(ドイツ)、3位竹内(41.5m、45m、44.5m)

大会終了後、ドイツのガルミッシュ・パルテンキルヘンに移動し、2月24日から3日間の日程で開催された日独学生スキー対抗競技に出場し、長距離で清水が1位となっている。ガルミッシュは2年後の冬季五輪の開催都市でもあり、宮川監督らは現地の有力者と懇談して施設等の情報収集を行った。

一行は3月3日にマルセイユから乗船、4月6日に帰国した。

一方、国内では例年通りにスキー大会が開催された。1月20日に北海道・札幌にて第7回全国学生スキー選手権、2月3日に新潟県小千谷で第7回神宮スキー大会、2月9日に青森県大鰐で第12回全日本スキー選手権が開催された。

そして3月20日、北海道・札幌で2年後のガルミッシュ五輪候補選手による、1週間の強化合宿を行った。メンバーは次の通り。

監督→高橋次郎、錦戸善一郎
距離トレーナー→高橋昴
ジャンプトレーナー→秋野武夫
選手→坪川武光(道庁)、関戸力(道庁)、安達五郎(札鉄)、関口勇(北大若老)、三上保(北大)、伊黒正次(北大)、箕輪正治(小樽)、浅木武雄(小樽)、伊藤英夫(樽中)、中村新一郎(青森)、広島精二(青森)、山田銀蔵(青森)、立田清(青森商)、竜田峻次(早大)、可児久男(早大)、吉田靖雄(豊原中)、菊池富蔵(大泊中)、府栄野三郎(豊原)、但野寛(旭鉄)、野口正二郎(小樽高商)、橋本道政(美濃)、安味貞信(名寄中)、村井三男(名寄中)、駒井三郎(美唄)、杉本辰夫(札一中)、安藤稔(札一中)、工藤巌(札一中)、長谷場国道(札一中)、三瓶重成(札商)、中川信利(札商)、由月清夫(札商)、坂田時人(札商)、山口靖夫(札二中)、駒野毅夫(北中)、久慈庫男(北中)、亀森隆(北中)、渡辺敏雄(旭中)、山崎友吉(樽商)、若本宇之吉(ホッパー)、高木幸治(札師)、園部政晴(群馬)、山口長寿(群馬) 

合宿の内容は、朝7時に起床、体操のあと8時に朝食、飛躍班は9時、距離班は10時に練習に出発、午後3時まで練習、午後5時夕食、午後7時から学科と指名による体験談・感想の発表、午後10時に体操をして就寝。
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by wataridori21 | 2009-08-23 06:06


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