さて、連日フィギュアスケート世界選手権の事ばかり書いていたけれど、同時に気になっていたのは、同時期に青森・青森県営スケート場で開催されていた「2007年世界女子カーリング選手権大会」の事。
世界女子カーリング選手権大会とは、毎年世界各国で開催されているカーリング女子の世界選手権の事で、女子は1979年から今回で29回目を数える。今年は日本・青森で開催される事となった。日程は3月17日(土)~25日(日)の9日間。参加国は日本を含め12カ国、前年(06年)はチーム長野が参加しており11位となっている。 この世界選手権は、2010年に開催されるバンクーバー五輪への出場枠を掛けた、とても重要な大会。今回から09年までの、3大会の順位の合計ポイントから上位9ヶ国+開催国(カナダ)に参加資格が与えられる。それだけにとてもプレッシャーの掛かる大会なのだ。 例年になく各テレビ局も熱心に報道体制を敷いており、NHK・BSで連日録画放送を行っていたのだが、今回フジテレビで全競技を約2時間に編集して放送されており、僕はこの番組を見ることにした。 日本の出場チームはチーム青森。メンバーは寺田桜子選手(リード)、山浦麻葉選手(セカンド)、本橋麻里選手(サード)、目黒萌絵選手(スキップ)、余湖明日香選手(リザーブ) 解説は元長野五輪・カーリング女子代表・大澤明美氏が担当、大澤氏は試合前にチーム青森の各選手にインタビュー。 大澤氏が「体調はどう?ノロウイルスとかかかってない?」と聞くと、リード寺田桜子選手が、 「大丈夫、むしろウチらがウイルスみたい、ハハハ!」 寺田さん、そんなアナタが大好きです(笑) ちなみに大会開会式で行われたファーストロック(野球で言う始球式)を務めたのは小野寺歩、林弓枝の両氏。やっぱり貫禄あるよね… 予選1戦目はドイツ。シェップ・アンドレア選手(スキップ)、バグナー・モニカ選手(サード)は世界選手権14回出場のベテラン。 前半終了時で1-3とリードされたが、6エンドでスキップ目黒萌絵選手が絶妙のショットを見せ3-3の同点。7エンド、ドローゲーム(ハウス内に沢山のストーンが集まる状態)からシェップ選手のショットが決まり3-5。ゲームは終盤、8・9・10エンドで日本が立て続けに加点し6-5と逆転で勝利。 予選2戦目はチェコスロバキア。実は今回が世界選手権初出場となる。 後攻スタートの日本は1エンドに1点を先制、その後2~4エンドは両チームがクリーン(無得点)で進み、5エンドに同点。6エンドでチェコはダブルテイクアウト(ハウス内の2つのストーンを同時に外へ弾く)を狙ったがミス、そこから日本が一気にたたみかけ一挙4点追加で5-1、最終スコアは6-3。 予選3戦目はロシア。06年のヨーロッパ選手権の優勝チーム。 1エンドから日本が積極的に攻め7エンド終了時に4-4の同点。8エンドに2点勝ち越ししたが、9エンドに1点差、10エンドに日本側のミスで同点。エキストラEND(延長戦)の末に6-7、何とも惜しいゲームだった。 予選4戦目はカーリング発祥の地・スコットランド。実力者ウッド・ケリー選手(スキップ)、ロッカート・ジャッキー選手(サード)を擁する。 同点で迎えた4エンドにジャッキー・ケリー両選手の見事なショットで一挙4点を獲得、終盤にも加点となり3-9。この結果、日本は2勝2敗のタイ。 予選5戦目はイタリア戦。去年の五輪開催国でもある。 一進一退の攻防でゲームは進み、3-2で迎えた6エンドにドローゲームから2点を加点し5-2、その後両チームが点を取り合い最終スコアは6-5。 予選6戦目はカナダ。世界選手権での優勝は13回を数える王者。 同点で迎えた4エンドに、カナダの正確なショットの連続で2点勝ち越し、その後はカナダが小刻みに加点し続け9エンドで日本はギブアップ、最終スコアは3-8。対戦成績は3勝3敗。 終了後に本橋選手は「カナダはシンプルなショットを確実に決めてきた。私達はシンプルなショットを半分しか決めれなかったのが勝敗になったと思います」とコメント。 予選7戦目はデンマーク。ここまでで優勝候補・スイスに勝利するなど5勝1敗と勢いに乗っている状態での対戦。 1-1で迎えた5エンドにデンマークは1点勝ち越し、6エンドには日本のミスでさらに2点追加で1-4、その後は完全にデンマークの流れでゲームは進み、3-8で9エンド終了後にギブアップ。 予選8戦目はスウェーデン。既に前回大会で大会2連覇、トリノ五輪金メダルの優勝候補No.1チーム。特にトリノ五輪・日本戦で小野寺選手の完璧なショットの直後に、信じられないスーパーショットを決めたノルベリ・アネッテ選手(スキップ)もメンバー。 0-1から2エンドに日本が逆転で2-1と1時リードしたが、3エンドにノルベリ選手が連続でパワフルにして正確なショット(圧巻としか言いようがない)で3点奪取で2-4。その後は一進一退でゲームが進行、8エンド終了時点で6-7と健闘したがここまで9・10エンドにスウェーデンが3点を加点し6-10で終了。ここまでで成績は3-5敗、あと1敗で予選敗退が決まる。 予選9戦目はスイス。トリノ五輪・銀メダルチームだが、ここまで4勝4敗と不振。 0-1で迎えた2エンドに2点獲得で2-1と逆転したが、その後はスイスチームが底力を発揮し、3~6エンドで7点を奪取し、6エンド終了時で2-8、その後スイスはテイクアウトゲームの展開に持ち込み、最終スコアは4-8。ここで3勝6敗となった為、日本の予選敗退が決まった。 予選10戦目は中国。07年のパシフィック選手権で優勝するなど、ここ数年で頭角を現してきた成長株。 3-3で迎えた8エンドに日本側のミスに付け込み中国が2点を奪取で3-5、最終スコアは4-6。 予選11戦目はアメリカ。前回大会で2位の実力を持ち、ここまで予選4位と好位置につけている。03年大会で優勝した時のメンバーだったマコーミック・デビー選手(スキップ)、ポッテンジャー・アリソン選手(サード)を擁した強豪。 1・2エンドは互いに譲らず3エンド以降は両チームが点を重ね、2-1で迎えた8エンド。ここまで不振続きだったスキップ目黒選手のショットが次々と決まり、日本が2点、9エンドには3点と加点して7-1でアメリカがギブアップ。日本は予選を4勝7敗で終了し8位となった。 競技終了後に目黒選手は「実力面でもメンタル面でも、今年の経験を生かして頑張っていきたいです」とコメントした。 決勝進出を決めたのは次の通り、 1位→カナダ、2位→デンマーク、3位→スコットランド、4位→アメリカ 3位決定戦はデンマーク(世界ランク7位)とスコットランド(世界ランク6位)。勝利したチームは決勝進出し、敗退したチームは銅メダルとなる。 同点で迎えた3エンドでスコットランドが一挙3点を獲得しゲームは終盤へ。しかしデンマークは凄まじい追い上げをみせ、7・8エンドに4点を奪取し6-6の同点。9エンドにデンマークが逆転の7-6。10エンドにデンマークのマデリーン選手(スキップ)の絶妙のショットが決まり9-6でデンマークの勝利。 決勝はカナダとデンマークの対戦となった。 カナダが3-1とリードで迎えた4エンドにデンマークが2点奪取で3-3の同点。その後は両チームの一進一退の攻防。6・7エンドでは両チームの名スキップの「ミリ単位」の見応えのある戦いを見せる、そして9エンド。デンマークのギブアップによりカナダが8-4のスコアで勝利。 2007年世界女子カーリング選手権大会の優勝は大会通算14回目となる、カナダとなった。 出来ればNHK・BSで細かく見とけばよかったと、後悔ばかりのテレビ観戦だった…(涙) ともかくチーム青森の選手達、本当にお疲れ様でした。
by wataridori21
| 2007-03-28 21:31
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